「させていただきます」を連発する方に対して苦情を言わせていただきます。

 大学生という身分上、発表やプレゼンに耳を傾ける機会が多々あります。聞き手に対する敬意なのか、「〇〇させていただきます」という構文を利用する方を最近よく目にします。別にイライラしている訳ではないのですが、慇懃無礼って感じに捉える人が少なからず出てきてしそうな気がします。どのくらい「させていただきます」を盛り込むのが適切なんでしょうか。私と議論していきましょう。

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 敬語には幾つかの種類があり、そのため相手を尊敬する方法は幾通りか存在すると思います。その中でも、他の敬語と比較して何も考えずに連発できる「させていただきます」は基本的に「する」の言い換えとして使われていると感じます。とりあえず、ある文章の動詞を全て「させていただきます」っぽい形に変換し不自然さを検証してみましょう。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい地獄さ行ぐんだで!」
二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて、海を抱かかえ込んでいる函館の街を見ていた。

小林多喜二蟹工船

 

 

「おい地獄さ行かせていただきます!」

二人はデッキの手すりに寄りかからせていただいて、蝸牛が背伸びをさせていただいたように延びさせていただいて、海を抱きかかえ込まさせていただいている函館の海を見させていただいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。

夏目漱石『こころ』

 

 

 

 私はその人を常に先生と呼ばせていただいていた。だからここでもただ先生と書かせていただくだけで本名は打ち明けさせていただかないようにさせていただく。これは世間をはばからせていただく遠慮といわせていただくよりも、その方が私にとって自然だからであるとさせていただきます。私はその人の記憶を呼び起こさせていただくごとに、すぐ「先生」と言わせていただきたくならせていただく。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

あきらめたらそこで試合終了ですよ…?
安西監督 - 井上雄彦SLAM DUNKスラムダンク)』

 

あきらめさせていただいたらそこで試合終了とさせていただきますよ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  別に「する」に限らず、動詞であれば大抵の場合は無理やり直すことができるんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな感じで「させていただきます」を執拗に使わせていただくと文章が崩壊させていただくので連発させていただくのは控えさせていただきたいと思わせていただきます。

 お疲れさせていただきます。